Clásicos japoneses con furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lee 耽溺 (たんでき) de 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 55.597 caracteres · 110 pantallas
「また、あの青木と蕎麦屋へ行ったのだろう」お君が長い顎を動かした。蕎麦屋と聴けば、僕も吉弥に引ッ込まれたことがあって、よく知っているから、そこへ行っている事情は十分察しられるので、いいことを聴かしてくれたと思った。しかし、この利口ではあるが小癪な娘を、教えてやっているが、僕は内心非常に嫌いであった。年にも似合わず、人の欠点を横からにらんでいて、自分の気に食わないことがあると、何も言わないで、親にでも強く当る。
「気が強うて困ります」とは、その母が僕にかつて言ったことだ。まして雇い人などに対しては、最も皮肉な当り方をするので、吉弥はいつもこの娘を見るとぷりぷりしていた。その不平を吉弥はたびたび僕に漏らすことがあった。もっとも、お君さんをそういう気質に育てあげたのは、もとはと言えば、親たちが悪いのらしい。世間の評判を聴くと、まだ肩あげも取れないうちに、箱根のある旅館の助平おやじから大金を取って、水あげをさせたということだ。小癪な娘だけにだんだん焼けッ腹になって来るのは当り前だろう。
「あの青木の野郎、今度来たら十分言ってやらにゃア」と、お貞が受けて、「借金が返せないもんだから、うちへ来ないで、こそこそとほかでぬすみ喰いをしゃアがる!」