Clásicos japoneses con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lee 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 124.386 caracteres · 248 pantallas
数え年の九つの時、はじめて盛岡へ連れて行かれて、おもちゃ屋で見た幻灯機械が不思議でたまらず、さればといって、買うには高すぎるので、レンズを二枚手に入れて、当分は幻灯機械の手作りに、我を忘れたほどの田舎ッペイだったのである。
その上、当時の中学生といえば、シラミをひねってエラそうなことをいうのが一番豪傑で、いやに小綺麗で、勉強ばかりしているのは「あいつは話せない」と、一蹴された。
そこへ行くと私なんぞは、まことに豪傑きわまる方で、中学五年間、まともな格好をしたことがない。ズボンから猿またが、はみ出し、靴には底がないものときめていた。
郷古潔氏にいわせると、
「野村は盛岡の目抜き通りを、はだしで歩いているのを見た覚えがある」
ということになるのだが、如何になんでも人間である。岩手山の熊の子ではないから、はだしというのは、ひどすぎる。
中でもニガ手は散髪で、これは現在でもそうであるが、床屋へ行くのが、どうも面倒なのである。半年ぶりに盛岡へ出て来た父が、私の頭を見てキモをつぶし、否も応もなく、床屋の強制執行をされたこともあるが、これから話すのは、その少し前である。