Clásicos japoneses con furigana
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じぶんだけのせかい
自分だけの世界
辻 潤
Lee 自分だけの世界 (じぶんだけのせかい) de 辻 潤 (つじじゅん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6232 caracteres · 13 pantallas
これは甚だ無気力な弁明ではあるが、事実は如何とも仕方がない。自分は自分の力だけのことしきゃ出来ないのだから。しかしどうかしてこの書を一字一句余さずに精読(実際自分のような「手から口へ」の生活者には翻訳でもする以外にはそんな余裕は与えられはしない)したいという強い気持が自分に元々あったために、時々起る馬鹿々々しいという気持を幾度となく押え付けて、やっと漕ぎつけた次第なのである。
僕は少年の時分から早く世間の苦労をさせられたせいか、今考えても早熟なマセタ不愉快な少年だった。それに体質が元来丈夫ではなかったから、頗る陰気でもあった――十二三の頃から世の中というものはあまり愉快なものじゃない。イヤなところだということを泌々頭の中に注ぎ込まれた――だから、世間並の少年のように運動や遊戯をあまり好まなかった――黙って一人でなにか考えこんでばかりいた。学校へ行くことなども勿論、あまり好きではなかった。従って大方の少年の空想するように、英雄豪傑になろうとか、大政治家になろうとか、そんな希望や野心を抱いたことは一度もなかった――第一「なに」になろうなどということもハッキリ考えたことは殆どなかった――それならどんなことを考えていたかというと、実に考えてもなんにもなりそうもないことばかりを考えていた――「全体世の中というのは