Clásicos japoneses con furigana
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しばいきょうぼうけん
芝居狂冒険
夢野 久作
Lee 芝居狂冒険 (しばいきょうぼうけん) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.334 caracteres · 21 pantallas
小格子の中から禿頭(はげあたま)の親爺(おやじ)が出て来た。見るからに丸柿庄六と名乗りそうな面構(つらがま)えで、手に草箒(くさぼうき)を一本提(さ)げていたが、万平を見ると胡乱(うろん)臭そうにジロリと睨んで立止まって、ガッチリとした渋柿面(しぶがきづら)をして見せた。
万平は狼狽して頬冠を取った。ペコペコとお辞儀をした。
「……あの……ちょっと……お伺い申しますが……あの……」
「……ハイ。何の御用ですか」
「ええ。その……何で御座います。その……今……お帰りになりましたのは……その……エヘヘ……こちらのお嬢様で……」
「……………」
禿頭の丸柿親仁(おやじ)は返事をしなかった。汗を掻いてペコペコしている万平の姿を見上げ見下した。いよいよ苦々しい顔になってギョロギョロと眼を光らし初めた。噛んで吐き出すように、ハッキリと云った。
「左様(さよう)です。私の娘です。何か御用ですか」
万平はホッと胸を撫で下した。ヤタラに汗を拭いた。
「……ああ、助かった。やっと安心した」
丸柿親爺の顔が、禿頭(はげあたま)の下で二三寸伸びた。万平の顔を穴のあく程見詰めた。
万平も負けずに顔の寸法を伸ばした。