Clásicos japoneses con furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lee 苦心の学友 (くしんのがくゆう) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 162.732 caracteres · 332 pantallas
「お帰り!」と運転手が景気よく叫んだ。
「まあまあ、正三。まあ、若様、まあまあまあまあ」
とお母様は驚いた。運転手は玄関へおみやげを山のように積み上げた。姉さんたちが出てきてウロウロする。忠義一図の一家だから、おやしきという声がかかると大変だ。
「若様、どうぞおあがりください」
と正三君は学友から接待役に早がわりをした。照彦様はすぐ帰るつもりだったが、やはり別れが辛い。
「それじゃ待っていておくれ」
と運転手に命じて、客間へ通った。
「これはこれは。ようこそおこしくださいました」
とお母さんは平身低頭して、
「あいにくと主人も長男も不在でございますから、かわって申しあげます。正三が長々お世話に相なりまして……」
とご挨拶を申しあげる。
「僕がお世話になりました」
「どう仕りまして、わがままものでございますから……」
「僕がわがままものです」
「今日はまたお頂戴物を仕りまして……」
「それは僕、知りません」
と照彦様はまっかになって一々答弁した。それからお母さんがひきさがった後、
「内藤君、僕はもうすぐに帰るんだから、少し遊ぼう」
と向きなおった。
「どうぞごゆっくり」
「いや、実はきみに内証話があるんだから、ここはいけない。