Clásicos japoneses con furigana
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Lee 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 133.224 caracteres · 269 pantallas
すると爺さんは逃げ後れたまま立っている人たちへ面当がましく、「彼奴らア人間はお飯喰わねえでも生きてるもんだと思っていやがらア。昼鳶の持逃野郎奴。」なぞと当意即妙の毒舌を振って人々を笑わせるかと思うと罪のない子供が知らず知らずに前の方へ押出て来るのを、また何とかいって叱りつけ自分も可笑そうに笑っては例の啖唾を吐くのであった。
縁日の事からもう一人私の記憶に浮び出るものは、富坂下の菎蒻閻魔の近所に住んでいたとかいう瞽女である。物乞をするために急に三味線を弾き初めたものと見えて、年は十五、六にもなるらしい大きな身体をしながら、カンテラを点した薦の上に坐って調子もカン処も合わない「一ツとや」を一晩中休みなしに弾いていた。その様子が可笑しいというので、縁日を歩く人は大抵立止っては銭を投げてやった。二年三年とたつ中に瞽女は立派な専門の門附になって「春雨」や「梅にも春」などを弾き出したがする中いつか姿を見せなくなった。私は家の女中が何処から聞いて来たものか、あの瞽女は目も見えないくせに男と密通いて子を孕んだのだと噂しているのを聞いた事がある。
これも同じ縁日の夜に、一人相撲というものを取って銭を乞う男があった。