Clásicos japoneses con furigana
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こんにゃくぼん
菎蒻本
泉 鏡花
Lee 菎蒻本 (こんにゃくぼん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.957 caracteres · 30 pantallas
黙って、じろりと顔を見る。
「どこへ行くかい。」
「ええ、宅へ帰りますでございます。」
「家はどこだ。」
「市ヶ谷田町でございます。」
「名は何てんだ、……」
と調子を低めて、ずっと摺寄り、
「こう言うとな、大概生意気な奴は、名を聞くんなら、自分から名告れと、手数を掛けるのがお極りだ。……俺はな、お前の名を聞いても、自分で名告るには及ばない身分のもんだ、可いか。その筋の刑事だ。分ったか。」
「ええ、旦那でいらっしゃいますか。」
と、破れ布子の上から見ても骨の触って痛そうな、痩せた胸に、ぎしと組んだ手を解いて叩頭をして、
「御苦労様でございます。」
「むむ、御苦労様か。……だがな、余計な事を言わんでも可い。名を言わんかい。何てんだ、と聞いてるんじゃないか。」
「進藤延一と申します。」
「何だ、進藤延一、へい、変に学問をしたような、ハイカラな名じゃねえか。」
と言葉じりもしどろになって、頤を引込めたと思うと、おかしく悄気たも道理こそ。刑事と威した半纏着は、その実町内の若いもの、下塗の欣八と云う。これはまた学問をしなそうな兄哥が、二七講の景気づけに、縁日の夜は縁起を祝って、御堂一室処で、三宝を据えて、頼母子を営む、……世話方で居残ると……お燈明の消々時、フト魔が魅したような、髪蓬に、骨豁なりとあるのが、鰐口の下に立顕れ、ものにも