Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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きょこうのはる

虚構の春

太宰 治

Lee 虚構の春 (きょこうのはる) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 54.586 caracteres · 108 pantallas

Aozora Bunko

下さいまし。師走もあと一両日、商人、尻に火のついた思いでございます。深夜、三時ころなるべし。田所美徳。太宰治様。」

「御手紙拝見いたしました。御窮状の程、深く拝察致します。こんな御返事申し上ることが自分でも不愉快だし、殊にあなたにどう響くかが分るだけに、一寸書きしぶっていたのですが、今月は自分でも馬鹿なことを仕出かして大変、困っているのです。従って到底御用立出来ませんから、悪しからず御了承下さい。これは全く事実の問題です。気持ちの上のかけ引なぞ全くございませぬ。あなたに対する誠意の変らぬことを、若し出来れば信じて下さい。窓の下、歳の市の売り出しにて、笑いさざめきが、ここまで聞えてまいります。おからだ御大事にねがいます。太宰治様。細野鉄次郎。」

「罰です。女ひとりを殺してまで作家になりたかったの? もがきあがいて、作家たる栄光得て、ざまを見ろ、麻薬中毒者という一匹の虫。よもやこうなるとは思わなかったろうね。地獄の女性より。」

月日。

「謹啓。太宰様。おそらく、これは、女性から貴方に差しあげる最初の手紙と存じます。貴方は、女だから、男は、あなたにやさしくしてやり、けれども、女はあなたを嫉妬して居ります。