Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ぐびじんそう
虞美人草
Lee 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.559 caracteres · 401 pantallas
「いいから下さい」
鎖の先に燃える柘榴石は、蒔絵の蘆雁を高く置いた手文庫の底から、怪しき光りを放って藤尾を招く。藤尾はすうと立った。朧とも化けぬ浅葱桜が、暮近く消えて行くべき昼の命を、今少時と護る椽に、抜け出した高い姿が、振り向きながら、瘠面の影になった半面を、障子のうちに傾けて
「あの時計は小野さんに上げても好いでしょうね」
と云う。障子のうちの返事は聞えず。――春は母と子に暮れた。
同時に豊かな灯が宗近家の座敷に点る。静かなる夜を陽に返す洋灯の笠に白き光りをゆかしく罩めて、唐草を一面に高く敲き出した白銅の油壺が晴がましくも宵に曇らぬ色を誇る。灯火の照らす限りは顔ごとに賑やかである。
「アハハハハ」と云う声がまず起る。この灯火の周囲に起るすべての談話はアハハハハをもって始まるを恰好と思う。
「それじゃ相輪も見ないだろう」と大きな声を出す。声の主は老人である。色の好い頬の肉が双方から垂れ余って、抑えられた顎はやむを得ず二重に折れている。頭はだいぶ禿げかかった。これを時々撫でる。宗近の父は頭を撫で禿がしてしまった。
「相輪※(「木+棠」、第3水準1-86-14)た何ですか」