Clásicos japoneses con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lee 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.559 caracteres · 401 pantallas
ただ青年は少々迷惑である。
「不便だって、修業のためにわざわざ、ああ云う山を択んで開くのさ。今の大学などはあまり便利な所にあるから、みんな贅沢になって行かん。書生の癖に西洋菓子だの、ホイスキーだのと云って……」
宗近君は妙な顔をして甲野さんを見た。甲野さんは存外真面目である。
「阿爺叡山の坊主は夜十一時頃から坂本まで蕎麦を食いに行くそうですよ」
「アハハハ真逆」
「なに本当ですよ。ねえ甲野さん。――いくら不便だって食いたいものは食いたいですからね」
「それはのらくら坊主だろう」
「すると僕らはのらくら書生かな」
「御前達はのらくら以上だ」
「僕らは以上でもいいが――坂本までは山道二里ばかりありますぜ」
「あるだろう、そのくらいは」
「それを夜の十一時から下りて、蕎麦を食って、それからまた登るんですからね」
「だから、どうなんだい」
「到底のらくらじゃ出来ない仕事ですよ」
「アハハハハ」と老人は大きな腹を競り出して笑った。洋灯の蓋が喫驚するくらいな声である。
「あれでも昔しは真面目な坊主がいたものでしょうか」と今度は甲野さんがふと思い出したような様子で聞いて見る。
「それは今でもあるよ。