Clásicos japoneses con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lee 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 162.569 caracteres · 336 pantallas
顔丸の丸彦は、法螺の貝をたいへんうれしがって、野原や山を吹きならして歩きました。顔長の長彦は、紫檀の机に寄りかかって、庭の梅の木を見ながら、なにかしきりに考えていました。
三
堅田の顔長の長彦が、庭の梅の木をながめながら考えましたのは、亡くなった両親のありがたい心のことでした。両親があとあとのことにまで気をつけて、梅の木の根もとにたくさんの財産を残しておいてくれましたので、じぶんたちも助かり、近所の人たちも助かったのです。
そのありがたい心を、なんとか記念にしておきたいものと、顔長の長彦は、四日四晩、あれこれと考えました。そして、よいことを考えつきました。
京の都の、名高い彫り物師にたのんで、観音様の像をほってもらいました。それができあがってきますと、庭の梅の木のそばに、小さいお堂をこしらえて、そこに観音様の像をまつりました。そのようにして、両親のありがたい心の記念としたのです。
そのことが、すぐにあちこちへ知れわたりました。ありがたい心がこもっている観音様というので、お詣りに来る人がありました。近くの人たちばかりでなく、遠くの人たちまで、聞きつたえてやって来ました。