Clásicos japoneses con furigana
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くまとしゃしょう
赤い鳥代表作集 2
木内 高音
Lee 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) de 木内 高音 (きうちたかね) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 14.043 caracteres · 29 pantallas
家の父は、新しく鉄道を敷くために、山の中を測量に歩いていましたので、そのたんびアイヌ人を道案内にたのんでいました。アイヌ人は、そんな縁故から、くまの肉を、よく、わたしの家へ持ってきてくれたものでした。
北海道のくまといえば、こんなにも縁故が深いのです。しかし、かずの子を食べすぎたり、さけを落して歩いたり、猛獣ながら、どことなく、くまにはこっけいな、かわいいところがあるではありませんか。
さて、つぎにわたしがお話ししようと思うのは、北海道にはじめて鉄道ができたころのことで、今からざっと四十年も前になりましょうか。その当時、まだ二十代の青年で、あの石狩平野を走る列車に車掌として乗りこんでいたおじからきいた話なのです。以下、わたしとか自分とかいうのは、おじのことです。
――なにしろ、そのころの鉄道といったら、人の足あとどころか、北海道名物のからすさえもすがたを見せないような原野を切り開いて通したのだから、そのさびしさといったらなかった。さびしいどころではない。すごいといおうか、なんといおうか、いってもいっても、両がわには人間の背よりも高いあしやかやがびっしりと生え茂っているばかりで、人間くさいものなんか一つもありはしない。