Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
しゅみのいでん
趣味の遺伝
Lee 趣味の遺伝 (しゅみのいでん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 38.235 caracteres · 77 pantallas
ある者は摧いて髄を吸い、ある者は砕いて地に塗る。歯の立たぬ者は横にこいて牙を磨ぐ。
怖い事だと例の通り空想に耽りながらいつしか新橋へ来た。見ると停車場前の広場はいっぱいの人で凱旋門を通して二間ばかりの路を開いたまま、左右には割り込む事も出来ないほど行列している。何だろう?
行列の中には怪し気な絹帽を阿弥陀に被って、耳の御蔭で目隠しの難を喰い止めているのもある。仙台平を窮屈そうに穿いて七子の紋付を人の着物のようにいじろじろ眺めているのもある。フロック・コートは承知したがズックの白い運動靴をはいて同じく白の手袋をちょっと見たまえと云わぬばかりに振り廻しているのは奇観だ。そうして二十人に一本ずつくらいの割合で手頃な旗を押し立てている。大抵は紫に字を白く染め抜いたものだが、中には白地に黒々と達筆を振ったのも見える。この旗さえ見たらこの群集の意味も大概分るだろうと思って一番近いのを注意して読むと木村六之助君の凱旋を祝す連雀町有志者とあった。ははあ歓迎だと始めて気がついて見ると、先刻の異装紳士も何となく立派に見えるような気がする。のみならず戦争を狂神のせいのように考えたり、軍人を犬に食われに戦地へ行くように想像したのが急に気の毒になって来た。