Clásicos japoneses con furigana
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とおくでなるかみなり
遠くで鳴る雷
小川 未明
Lee 遠くで鳴る雷 (とおくでなるかみなり) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 2569 caracteres · 6 pantallas
二郎は、寝るときもきゅうりのことを思っていました。しかし、床に入るとじきに寝入ってしまいました。
その間、きゅうりは、水に、流れ、流れて、夜の間、森のかげや、広い野原や、またいくつかの村を通り過ぎて、夜の明けたころにはもはや幾里となく遠くへいってしまったのです。そして、まだ、そのうえにも、きゅうりは、旅をつづけていました。
その日の午後でありました。一人のみすぼらしいふうをした乞食の子が、低い橋の上に立って、独りさびしそうに、流れてゆく水の上を見ていました。水には、雲の影と草の葉の影が映っていたばかりです。
そのとき、一つのきゅうりが、ぶか、ぶかと流れてきました。子供は、棒を持ってきて、あわててそのきゅうりを拾い上げました。きゅうりに書かれた文字は、すっかり水に洗われて消えていました。
けれど、遠い、遠い、水上から流れてきたことだけは、乞食の子にもわかりました。なぜなら、まだ、このあたりは、風が寒くて、きゅうりの芽がそんなに大きくはならないからです。
乞食の子は、そのきゅうりを手にとって、大喜びでした。さっそく、これから母や妹に見せようとあちらに駆け出してゆきました。