Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
やこ
野狐
田中 英光
Lee 野狐 (やこ) de 田中 英光 (たなかひでみつ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.615 caracteres · 39 pantallas
貞操を守るようになった。
桂子は前に同棲していた異国人から、縞馬と呼ばれていたという。色の浅黒い、手足の小さい、小柄の女で、顔は平べったく、低い鼻の穴が大きく天井を向いている。化粧すれば、そうみっともない女でもなかったが、素顔の時は呆れるほど平凡な泥臭い百姓の娘さんだった。けれども、その疲労を知らぬ、太股に薄い縞模様のある肉体が、私を圧倒した。私は彼女によって初めて、肉体の恋を知らされたといってよい。
ところで私は、俗物たちが妾をもって平然としているように、一夫多妻主義で納まっていることはできない。道徳的には妻子のもとに帰るのが正しいと思われたし、新しい私の道徳からいえば、たとえ前身がなんであろうと、前の妻と別れ、より愛している女、桂子と一緒になることが正しいように感じられた。しかし、そこに四人の子供の問題がある。十八の六倍が容易にできないような桂子に、子供たちの育てられないのは、私にも分っていた。
そこで最後に昨年の暮、バカな私にも、桂子が異国製の菓子と煙草をかくし持っていたり、おまけに当時、ジフリーズで、ペニシリンの注射をさせてやっていた頃、彼女の浮気というより、その淫奔さに薄々、気づいていたので、また催眠剤を飲んで彼女と喧嘩の末、伊豆の妻子のもとに逃帰った。