Clásicos japoneses con furigana
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かわぐちこ
野菊の墓他六篇
伊藤 左千夫
Lee 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) de 伊藤 左千夫 (いとうさちお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 30.105 caracteres · 61 pantallas
君もおおよそは知ってるとおり、僕は営業の割合に家族が多い。畜牛の頭数に合わして人間の頭数が多い。人間にしても働く人間よりは遊食が多い。いわば舟が小さくて荷物が容積の分量を越えているのだ。事のあったときのために平生余裕をつくる暇がないのだ。つねの時がすでに不安の状態にあるのだから、少し波風が荒いとなっては、その先どうなるのかほとんど見込みのつかないほど極度の不安を感ずるのだ。
それが君、年のまだ若い夫婦ふたりの時代であるならば、よし家を覆滅させたところで、再興のくふうに窮するようなこともないから、不安の感じもそれほど深刻ではないが、夫婦ふたりの四ツの手に八人の子どもをかかえているという境遇であってみると、その深刻な感じがさらにどれだけ深刻であるか。君たちにもたいていは想像がつくだろう。
七ツ八ツくらいまでは子どももほんの子どもだ。まだ親の苦労などはわからなく、毎日曇りのない元気な顔に嬉々と遊戯にふけっているが、それらの姉どもはもう親の不安を心得きっている。親の心ではなるたけ子どもらには苦労もさせたくないから、できる限り知らさないようにしてはいるものの、不意にくる掛取りのいいわけを隠してすることもできないから、実は隠そうとしても隠しきれない。