Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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きんどけい

金時計

泉 鏡花

Lee 金時計 (きんどけい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5568 caracteres · 12 pantallas

Aozora Bunko

下

私ゃこんなものでもね、日本が大の贔屓さ。何の赤髯、糞でも喰えだ。ええその金時計は直に強奪って持って来やす。」

かかりし後、へいげんはその簪の花を汚され、あまつさえ掌中の珠を奪われたるなり。

下

三郎は掏摸の奪いたりし金時計を懐にしつ、健児大助を従えて、その夕月下にへいげんの門を敲きぬ。

誰何せる門衛に、我は小坪の某なり、約束の時計を得たれば、あえて主公に呈らせんと来意を告げ、応接室に入るに際して、執事は大助を見て三郎に向い、

「時計を御拾得の方は貴下ですな。この方は何用でいらっしゃいました。」

三郎いまだ答えざるに、大助は破鐘声を揚げて、

「俺あ下男だ。若様の随伴をして来たのだ。」

「そんなら供待でお控えなさい。」

と叱するごとく窘めたり。大助は団栗眼をきて、

「汝達の指図は承けねえ。さあ若様御一所に入りましょう。」

執事はこれを遮りて、

「いいえなりません。応接室へは、用事のある客の外は、一切他人を入れませんのが、当家の家風でございます。」

へいげんは金時計を失いて、たちまち散策の興覚め、すごすご家に帰りて、燈下に愛妾と額を鳩めつつ、その失策を悔い且つ悲しみ、怏々として楽まざりし。