Clásicos japoneses con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lee 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 106.745 caracteres · 216 pantallas
腰元は声を掛けた。
「はい妾でございます」
小次郎はスルスルと近寄ったがパッと飛びかかって首を掴み、持って来た手拭いで猿轡。扱帯を解いて腕をくくり傍の柱へ繋いだが、奥の襖を手早く開けた。
グルリと見廻したがツカツカとはいり、
「どうやらここではないらしい」
奥の襖をまたあけた。
と、現われたその部屋の遙か奥の正面にあたって何やら大勢蠢く物がある。
「や、人か?」
と仰天したが、普通の人間でもないらしい、あるいはキリキリと一本足で立ちあるいは黒髪を振り乱し、または巨大な官女の首が宙でフワフワ浮いている。
「ワッ、これは! 化物だア!」
思わず声を筒抜かせたがハッと気が付いて口を蔽い、
「千代田の城に化物部屋。おかしいなア」
と見直したが、「ブッ、何んだ! 絵じゃねえか!」
部屋一杯の大きさを持ち黄金の額縁で飾られた百鬼夜行の絵であった。
「この絵がここにある上は六歌仙の軸もなくちゃならねえ」
見廻す鼻先に墨踉あざやかに、六歌仙と箱書きした桐の箱。
「有難え!」
と小脇に抱え忽ち部屋を飛び出したが、出合い頭に行き合ったのは五十位の老女であった。
「其許は誰じゃ?」
と呼びかけられ、