Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lee 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 106.745 caracteres · 216 pantallas

Aozora Bunko

しかし家治の遺志なるものは、幸い実行することが出来た。家治の死後電光石火に、幕府の改革が行われ、田沼主殿頭は失脚し、大封を削られて一万石の、小大名の身分に落とされてしまった。代わって出たのが松平越中守で、老中筆頭の位置に坐り、寛政の治を行うことになった。

青葉の季節が訪ずれて来た。

半太夫茶屋の四畳半で、愉快な媾曳が行われていた。

弓之助とお色との媾曳であった。

「おいお色、おい女丈夫、お前は命の恩人だぜ」

「そう思ったら邪魔にせずに、精々これから可愛がるといいわ」

「あの時お前が来なかろうものなら、女勘助っていう奴に、おれはそれこそ殺されたかもしれねえ」

「ご身分を宣ればよござんしたに」

「莫迦め、そんなことは出来るものか、がんじ搦みにされたんだからなあ。おめおめ生け捕りにされた身で、名前や素姓が明されるものか」

「ほんとにそれはそうですわねえ」お色は胸に落ちたらしい。

金魚売りの声が表を通った。燕のさえずりが空で聞こえた。

「六人の奴らどうしたかな?」

ふと弓之助は壊しそうにいった。「江戸にはいないということだが」

「泥棒なんて厭ですわねえ」お色は眉間へ皺を寄せた。