Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.082 caracteres · 257 pantallas

Aozora Bunko

嘗めた事を言うと、ひどい眼に逢わされますよ」

「綺麗な男だったな」

「さすがは姉の弟で、芝居の色子にも、あんな綺麗な男の子は滅多にありませんね、小柄で、華奢で、声変りで変な太い声さえ出さなきゃ、女の子と間違えますよ」

「それっ切りか」

「まだありますよ、橋場で殺された佐太郎は、勿体なくも主人の配偶のあのお染さんに夢中だったんですってね」

「不都合な話じゃないか」

「もっとも、薄墨華魁の客の一人だったというから、無理もありませんがね、知らぬは亭主ばかりで、女房が勤めをして居る時の客の一人が、店に居る手代だったとは、死んだ吾妻屋も気が付かなかったでしょうよ」

「フーム」

遊女制度の不都合さで、金さえ出せば、誰でも客になれたことが、この不倫な結果を生んだのでしょう。

「主人が生きて居るうちは慎んで居た様ですが、主人が殺されると忽ち羽をのして、三日経たないうちから、主人の後家に絡みついて居たというから、佐太郎にも殺されるだけなわけがあったのかも知れませんね」

「その佐太郎が殺された晩、吾妻屋の家の者は、一人も外へ出なかった筈だな」

「相憎皆んな家に居たそうで、どう詮索しても、佐太郎殺しの下手人は、吾妻屋には居ませんよ」