Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.082 caracteres · 257 pantallas

Aozora Bunko

藤次郎は八五郎の手から提灯を借りて、急所々々を照して見せるのです。

半分落ち残った桟敷を渡って、柱や横木に残る、縄の切口を見るのは、高いところに馴れない平次や八五郎にとって、それは容易ならぬ仕事でしたが、それでも鳶頭の藤次郎の説明で、十数ヶ所の縄に、少しずつでも、刃物を入れてあったことだけは確かにわかりました。

「最初から此縄を切って置いたのかな」

平次は訊きました。

「最初から縄を切っちゃ、十人と登らないうちに落ちてしまいます、多分最初は急所急所の結び目十ヶ所位へ、チョイ/\刃物を入れて置き、潮時を見て、川へ乗出した一番端っこの、大事な縄を二、三ヶ所切ったのでしょう――四十何人と乗って居るんだから、これはひとたまりもありませんや」

藤次郎は、そのやり方の狡さに、歯ぎしりするほど腹が立つ様子です。

「憎い野郎ですね、親分、そんな悪戯をして、若い者を二人まで殺しやがって――」

八五郎は義憤に煽られて危ない足場の上で身体をゆさぶります。

「危いよ、八、俺達まで川へ落ちたところで、物笑いになるだけだ――もっとも、俺も地団太踏みたいほど腹を立てて居るよ、誰が死ぬかわからないような恐ろしい仕掛けをして、四十何人の人間を水の中へ落そうというのは鬼のような了見だ」