Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.082 caracteres · 257 pantallas
「飛んだことだな、番頭さん」
平次が入って行くと、
「いやもう、お話にもなりません、誰の仕業か知りませんが」
経机の上を飾りながら、弥八の声は少し濡れます。
「いったいどうしてこんな事になったんだ」
平次は仏様へお線香をあげて、弥八の方に向き直りました。味噌汁に仕込んだ、石見銀山鼠捕りで死んだ死体を調べるより、詳しく前後の事情を訊く方が大事だったのです。
「三度の食事は皆んな一緒に頂くのが佐渡屋の家風で、お勝手の隣の板の間に、内儀さん始め奉公人まで並んで頂戴いたします。もっとも内儀さんやお嬢さん方は座布団を敷きますが、私共は板の間に坐ったままで」
「――」
「煙草が過ぎるので、味噌汁のお好きな内儀さんは、二杯も代えて召上ったようで、――それがいけなかったのでございましょう。お嬢様のお絹様も半分位は召上りましたが、お信様はお嫌いで、親御さんに叱られながらも、味噌汁を滅多に召上らず、私と品吉さんは少し遅れて膳について、ほんの一と口すすっただけ、それも内儀さんが苦しみ出したので、止してしまいました。与之助どんは少し頂いたようで、大変な苦しみでしたが、お医者の手当が間に合って、これは命拾いをいたしました。