Clásicos japoneses con furigana
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もん
門
Lee 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.830 caracteres · 278 pantallas
彼はこの二三カ月間ついぞ、日の光に透かして湯の色を眺めた事がない。それならまだしもだが、ややともすると三日も四日もまるで銭湯の敷居を跨がずに過してしまう。日曜になったら、朝早く起きて何よりも第一に奇麗な湯に首だけ浸ってみようと、常は考えているが、さてその日曜が来て見ると、たまに悠くり寝られるのは、今日ばかりじゃないかと云う気になって、つい床のうちでぐずぐずしているうちに、時間が遠慮なく過ぎて、ええ面倒だ、今日はやめにして、その代り今度の日曜に行こうと思い直すのが、ほとんど惰性のようになっている。
「どうかして、朝湯にだけは行きたいね」と宗助が云った。
「その癖朝湯に行ける日は、きっと寝坊なさるのね」と細君は調戯うような口調であった。小六は腹の中でこれが兄の性来の弱点であると思い込んでいた。彼は自分で学校生活をしているにもかかわらず、兄の日曜が、いかに兄にとって貴といかを会得できなかった。六日間の暗い精神作用を、ただこの一日で暖かに回復すべく、兄は多くの希望を二十四時間のうちに投げ込んでいる。だからやりたい事があり過ぎて、十の二三も実行できない。否、その二三にしろ進んで実行にかかると、かえってそのために費やす時間の方が惜しくなって来て、ついまた手を引込めて、じっとしているうちに日曜はいつか暮れてしまうのである