Clásicos japoneses con furigana
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もん
門
Lee 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.830 caracteres · 278 pantallas
「成功」と宗助は非常に縁の遠いものであった。宗助はこういう名の雑誌があると云う事さえ、今日まで知らなかった。それでまた珍らしくなって、いったん伏せたのをまた開けて見ると、ふと仮名の交らない四角な字が二行ほど並んでいた。それには風碧落を吹いて浮雲尽き、月東山に上って玉一団とあった。宗助は詩とか歌とかいうものには、元から余り興味を持たない男であったが、どう云う訳かこの二句を読んだ時に大変感心した。対句が旨くできたとか何とか云う意味ではなくって、こんな景色と同じような心持になれたら、人間もさぞ嬉しかろうと、ひょっと心が動いたのである。宗助は好奇心からこの句の前に付いている論文を読んで見た。しかしそれはまるで無関係のように思われた。ただこの二句が雑誌を置いた後でも、しきりに彼の頭の中を徘徊した。彼の生活は実際この四五年来こういう景色に出逢った事がなかったのである。
その時向うの戸が開いて、紙片を持った書生が野中さんと宗助を手術室へ呼び入れた。
中へ這入ると、そこは応接間よりは倍も広かった。光線がなるべく余計取れるように明るく拵らえた部屋の二側に、手術用の椅子を四台ほど据えて、白い胸掛をかけた受持の男が、一人ずつ別々に療治をしていた。