Clásicos japoneses con furigana
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かいひいちようちょう
開扉一妖帖
泉 鏡花
Lee 開扉一妖帖 (かいひいちようちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.898 caracteres · 40 pantallas
おさらいや、おおさえや、そんなものは三番叟だって、どこにも、やってやしませんのさ。」
「はあ。」
とばかり。
「お前さんも、おさらいにおいでなすったという処で見ると、満ざら、私も間違えたんじゃアありませんね。ことによったら、もう刎ねっちまったんじゃありませんか。」
さあ……
「成程、で、その連中でないとすると、弱ったなあ。……失礼だが、まるっきりお見それ申したがね。」
「ええ、ええ、ごもっとも、お目に掛ったのは震災ずっと前でござんすもの。こっちは、商売、慾張ってますから、両三度だけれど覚えていますわ。お分りにならない筈……」
と無雑作な中腰で、廊下に、斜に向合った。
「吉原の小浜屋(引手茶屋)が、焼出されたあと、仲之町をよして、浜町で鳥料理をはじめました。それさ、お前さん、鶏卵と、玉子と同類の頃なんだよ。京千代さんの、鴾さんと、一座で、お前さんおいでなすった……」
「ああ、そう……」
夢のように思出した。つれだったという……京千代のお京さんは、もとその小浜屋に芸妓の娘分が三人あった、一番の年若で。もうその時分は、鴾の細君であった。鴾氏――画名は遠慮しよう、実の名は淳之助である。