Clásicos japoneses con furigana
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かいひいちようちょう
開扉一妖帖
泉 鏡花
Lee 開扉一妖帖 (かいひいちようちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.898 caracteres · 40 pantallas
目も夜鳥ぐらい光ると見えて、すぐにね、あなた、丼、小鉢、お櫃を抱えて、――軒下へ、棚から落したように並べて、ね、蚊を払い(おお、飯はからだ。)(お菜漬だけでも、)私もそこへ取着きましたが、きざみ昆布、雁もどき、鰊、焼豆府……皆、ぷんとむれ臭い。(よした、よした、大餒えに餒えている。この温気だと、命仕事だ。)(あなたや……私はもう我慢が出来ない、お酒はどう。)……ねえ、お前さん。――
(酒はいけない。飢い時の飯粒は、天道もお目こぼし、姉さんが改札口で見つからなかったも同じだが、酒となると恐多い……)と素早いこと、さっさ、と片づけて、さ、もう一のし。
今度はね、大百姓……古い農家の玄関なし……土間の広い処へ入りましたがね、若い人の、ぴったり戸口へ寄った工合で、鍵のかかっていないことは分っています。こんな蒸暑さでも心得は心得で、縁も、戸口も、雨戸はぴったり閉っていましたが、そこは古い農家だけに、節穴だらけ、だから、覗くと、よく見えました。土間の向うの、大い炉のまわりに女が三人、男が六人、ごろんごろん寝ているのが。
若い人が、鼻紙を、と云って、私のを――そこらから拾って来た、いくらもあります、農家だから。