Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lee 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.786 caracteres · 278 pantallas

Aozora Bunko

武蔵の風貌

造酒之助の殉死

武蔵の風貌

武蔵は幼少の頃、頭に疔という腫物を病んだことがある。そのため月代を剃ると醜いといって、生涯、額を剃らずに、髪はいつも総体に伸ばしていた。

また、彼の眸は、茶褐色をしていて、琥珀のように時折光った。眸が茶色をしていたという異相の人には、法然上人にも同じ云い伝えがある。

それと門人の聞き書に、体はいつも水拭きにして風呂には生涯入らなかったとあるが、それは晩年の熊本時代のことだろうと思われる。しかし、それについて、武蔵が述懐したという、

身の垢は手桶の水にてもそそぐを得べし、

心の垢はそそぐによしなし

という言葉の裡には、汲めども尽きぬ味がある。

造酒之助の殉死

武蔵は或る時、摂州尼ヶ崎附近を乗掛馬で道中していたが、ふと、手綱を取る少年馬子に注意をひかれた。並々ならぬ器量が、一生を馬子で終わるべき少年とは見えないのである。

「一廉の武士に育て上げて遣わすが、儂の膝下で修行を積んで見る気はないか」

武蔵の厚意に少年は大いに喜び、「自分には養うべき老いた両親があるゆえ、修行の望みは充分あるけれども、現在の活計を棄てるわけにはゆかぬ」と答えた。

武蔵はその孝心に愈※(二の字点、1-2-22)感じて、両親を訪れ老いを養うに足る金を与え、少年の将来のためなることを説き聞かせて、吾が家に伴れかえった。