Clásicos japoneses con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lee 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 213.575 caracteres · 424 pantallas
前回の“木曾殿稼ぎ”で端的にいったように、挙兵初期の彼の信濃における活動は、資力稼ぎの期間といえよう。まだ義仲の面目も輪郭も、書けたものとはしていない。
一応、義仲を措いて、この回からは、治承五年の正月、高倉上皇がお亡くなりになった直後の都へ、筆をかえしてゆく。斜陽平家が、刻々、その晩影を濃くしてゆく西八条にあって、老入道清盛の苦悶苦闘のすがたが主題になってくる。
まもなく清盛は死ぬのである。
この長い小説の上で、第一回から主要人物として書いてきた人間の当然な死を、ぼくも当然、書かなければならない。彼は、ぼくのあたまの中で、二十歳から六十四歳までを送ってきた。里子を二、三年預かっても、しまいには実の親に返すのが嫌になるそうだ。しかし、治承五年閏二月四日、清盛は死ぬ。ぼくは、他人の眼と、宇宙のこころをかりて、ていねいに、ひややかに、彼の死を観てゆこうとおもう。
清盛の死ぬ直前、そして南都焼討以後の、平家事情は、内外じつに複雑だ。複雑怪奇そのものだ。東国をはじめ、木曾、美濃、紀州、四国、九州など、まるで清盛の死期を予知していたかのようである。彼の死ぬ直前、八方から蜂起している。