Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

あめのやまぶき

雨の山吹

山本 周五郎

Lee 雨の山吹 (あめのやまぶき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 16.433 caracteres · 33 pantallas

Aozora Bunko

「これから頼むところだ」兵庫が遮った、「――いま手紙をみせたばかりなんだ、ここはいいから向うへいっておいで」

茶を注ぎ、菓子鉢をすすめて、文代は去った。又三郎は兄の話すのを待った。

「八日まえに、紅梅会の者五人と粟津へいったんだ」兵庫は云った、「――もうまもなく祝言だし、西牧へゆけば当分は出られないだろう、母上もぜひやってやれと仰しゃるので、出してやったんだ」

城下の寺町に、小舘梅園という女史の経営する女塾があり、藩士の娘たちに学問や諸芸を教えていた。紅梅会はその塾生たちの集まりで、毎年春と秋の二回、有志が組をつくって粟津へ旅行をする。粟津は名だかい温泉場であるが、往復の道に四日、中三日滞在の日程にはきびしい規則があり、行楽よりも、塾でならい覚えたことを実地にためす、というのが主眼になっていた。

汝生はその旅行にでかけたのであるが、昨日の夕方、いっしょにいった娘の一人が、粟津から帰って、汝生の帰りがおくれるということを告げに来た。小松の宿で腹痛を起こしたそうで、その柊屋という家は紅梅会の定宿であり、治ったら宿の者が送って来る、という話であった。

「そうしてこの手紙を、汝生から預かったといって置いていったんだ」