Clásicos japoneses con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lee 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.414 caracteres · 289 pantallas
秋は早や暮れて行きます。かの夏かと思う昼過ぎの烈しい日の光はすっかり衰えて、空はどんよりといつでも曇っています。それは丁度広い画室の磨硝子の天井でも見るよう。浮雲の引幕から屈折して落ちて来る薄明い光線は黄昏の如く軟いので、眩く照り輝く日の光では見る事味う事の出来ない物の陰影と物の色彩までが、かえって鮮明に見透されるように思われます。木の葉は何時か知らぬ間に散ってしまって、梢はからりと明く、細い黒い枝が幾条となく空の光の中に高く突立っている。後の黒い常磐木の間からは四阿屋の藁屋根と花畠に枯れ死した秋草の黄色が際立って見えます。縁先の置石のかげには黄金色の小菊が星のように咲き出しました。その辺からずっと向うまで何にも植えてない広い庭の土には一面の青苔が夏よりも光沢よく天鵞絨の敷物を敷いている。二、三匹の鶺鴒がその上をば長い尖った尾を振りながら苔の花を喙みつつ歩いている。鼠色したその羽の色と石の上に買いた盆栽の槭の紅葉とが如何に鮮かに一面の光沢ある苔の青さに対照するでしょう。
風は少しもありません。行く秋の曇った午過ぎは物の輪廓を没して、色彩ばかり浮立つ幻覚に唯だどんよりと静まり返っているのです。