Clásicos japoneses con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lee 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.414 caracteres · 289 pantallas
二人の生活は、最初家を借りた赤坂から芝公園へ引越した後、更に移って東中野へ落ちついた頃には、何も知らない人の目には羨しいほど平和に幸福に見られるようになっていた。
震災の年、種子は四十五、重吉は丁度三十三になった。年々若づくりになって行く種子と、二十代から白髪のあった色の黒い小男の重吉とは、二人並んでいても年のちがいが以前ほどには目に立たぬようになって来た。女の方は白粉や頬紅で化粧を凝し、髪はその頃流行の耳かくしに結い、飛模様の着物に錦襴のようなでこでこな刺繍の半襟をかけ甲高な調子で笑ったりしている側に、じみな蚊絣の大島紬に同じ羽織を襲ねた重吉が仔細らしく咳嗽払いでもして、そろそろ禿げ上りかけた額でも撫でている様子を見ると、案外真面目な夫婦らしく、十二、三も年のちがう仲だと思われない。
九月の朔日に地震の起った時、重吉は会社の客を案内して下目黒の分譲地を歩き回っていた最中だったので何の事もなかったが、種子は白木屋で買物をしていたので、狼狽えて外へ逃出し、群集に押しもまれながら駈け歩いている中、いつか足袋はだしになったため踏抜きをして、その日の暮れ近く人に扶けられてやっと家へ帰って来た。