Clásicos japoneses con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lee 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.414 caracteres · 289 pantallas
そして灯のつく頃帰って来たお千代と一緒に、手を引き合わぬばかりにして近処の銭湯に行った。
震災後土地家屋の周旋業は一時非常に成績が好かったので、土地会社へ勤めていた重吉もこれまでにない賞与金を貰ったくらいで、丁度歌舞伎座が新に建直された時、重吉は種子の衣類に身を飾ったお千代を連れて見物に行く。暑中休暇には二人連れで三日ばかり箱根へ出掛ける。郊外の家はその前に畳んで牛込矢来町に移っていたので、毎晩手をひきつれて神楽阪の夜店を見歩く。二人の新婚生活は幸福であった。
しかしこの幸福は世間一般が不景気になるに従って追々に破壊せられるようになった。再び年号が改ったその翌年の春、市中の銀行が殆一軒残らず戸を閉めたことがあった。重吉が種子の遺産として譲受けた五千円の貯金はその時なくなってしまう。つづいて勤先の会社が突然解散せられる。種子が形見の貴金属類は内々でとうの昔売り飛された後である。
重吉は突然この窮境に陥り、内心途法に暮れながらも、お千代に対しては以前の会社がほどなく財産整理をして再興するはずだから暫くの間辛抱してくれるようにと言拵えて空しく日を送っていた。