Clásicos japoneses con furigana
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ゆきやなぎ
雪柳
泉 鏡花
Lee 雪柳 (ゆきやなぎ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 45.054 caracteres · 90 pantallas
「アイ」
あいと脚絆の膝をよじって、胸を、くの字なりに出した吸付煙草。亭主が、ふっかりと吸います、その甘味そうな事というものは。……
余計にがつがつして、息を切って萩寺の方へ出たでしょうか、真暗三方という形、かねて転居さきを端書で知っていました、曳船通の間淵の家に辿り着いた。ここで一片餉ありつこうし、煙草銭の工面をつけようと思いました。ところがどうです。――その時分の事で、まだ藁葺の古家で、卯の花の咲いた、木戸がありました。柱に、「東海会社仮事務所」と出ていて、例の大船で一艘積出す男は、火のない瀬戸の欠火鉢を傍に、こわれた脇息の天鵝絨を引剥したような小机によっかかって、あの入船帳に肱をついて、それでも莞爾々々している……
「これ、お茶をよ。」
と破襖の次の間へ。
「何だ、焼芋、蕎麦、ごもく、豆大福、豌豆の入った――うふ、うふ、うふふ。」
と尻上りの冴えた声で、笑を肥った腹へ揺った。
「鼠が貿易をしはしまいしよ、そんなものを積んで大海を渡れるものか。その了見だと、折角あれだけの名家の弟子になりながら、小刀で蟻を刻んでいやしないかね。
蕪にくッつけてさ、それ、大かぶにありつく、とか云って、買手が喜ぶものだそうだ。