Clásicos japoneses con furigana
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あおいくさ
青い草
小川 未明
Lee 青い草 (あおいくさ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3244 caracteres · 7 pantallas
こんな遊びは、原っぱでもなければされぬことで、このにぎやかな町の中では、まったく珍しい、しがいのあるいたずらにちがいありません。義坊は手を伸ばして、その白い花を取ろうとしました。その瞬間です。どこから飛んできたか、朽ち葉色のちょうが、花に止まろうとしました。義坊は、おどろいて急に手を引っこめて、ちょうのするさまをじっと見守っていました。ちょうは花にとまって、羽を休めたかと思うと、また舞い上がって、煤煙と物音で、かきにごされている空を、どこともなく飛んで消えてしまいました。その行方を見送りながら、義坊はぼんやりとして、不思議に思ったのです。そして、ちょうのために、白い花を残しておく気になりました。
「義坊や、あっちのお店では売れたかな。」
二間とは離れぬところへ、赤い珠と、白い珠と吹き上げるおもちゃの噴水や、ばね仕掛けのお相撲の人形を売る、露店が並んでいたのでした。
「さっき、子供がたくさん立っていたが、だれも買わずにいってしまったよ。」
「そうか、不景気だなあ。」と、父親は、ため息をつきました。まだ、今日は一人も銭を投げてくれなかったのです。
義坊は、以前、いろいろなおもちゃを父親から買ってもらったことがありました。