Clásicos japoneses con furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lee 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 162.593 caracteres · 325 pantallas
「どうしたんです? 血色がわるいですね」
豹一ははじめていくらか赧くなって、
「さっき車のなかで吐いたんです」苦笑しながら言った。
「それやいけませんね。酒は毒ですよ。あんた方にはまだ酒を飲むのは早い。よした方がいいですね」北山は日頃に似合わぬしんみりした口調で言った。
豹一はふっと温いものが胸に落ちる想いで、「はあ」素直にきいていた。
すると、土門が急に笑い声を立てた。
「北山からかうのはよせよ! 貴様がそんな意見が出来た柄か、あ、は、は、……」
北山の顔を、こいつめとにらみつけた。北山もちょっとにらみかえしぷっと噴き出しそうになるのをこらえながら、済ましこんでいた。
豹一ははじめて、北山にからかわれていたことに気がついて、気をわるくした。途端に多鶴子のことがチクリと刺す想いで想い出され、気持が沈んだ。
「おい、しっかりしろ」いきなり土門が肩を敲いた。「しょんぼりする手はさらにないと思うがね。愚僧なんかには、なんでそんなに面白くない顔をするのか、わかり、や、せんね。良い恋人をもちながら、まだ不平があるのかね? おい、こら? いっぺんどやしたろか?」
「恋人なんかありませんよ」