Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あおふくのおとこ

青服の男

甲賀 三郎

Lee 青服の男 (あおふくのおとこ) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.026 caracteres · 29 pantallas

Aozora Bunko

刑事は世の中は広いものだ、よくこんな軽率な人の種の尽きないものだと思いながら、もう興味がなくなったので、そこを離れようとすると、信造が声を出した。

「一つやって見ようか」

「へえ、どうぞ」

連珠屋は鴨が来たとばかり、手にした木製の黒石を信造に渡した。

パチリ。

信造の打った所は急所らしかった。

連珠屋はうむと唸って、じっと盤面を見つめたが、パチリと白を下した。

パチリ、二つ目の黒石で、見事に四々が出来た。

「旦那、大した腕ですなア」

連珠屋は渋面を作りながら、信造を賞讚した。

信造は得意そうにニヤリと笑って、そのまゝ列を離れて、さっさと行こうとした。

と、この時に、咄嗟に望月刑事の頭に閃めいたものがあった。

刑事は自分の考えにぎょっとしながら、早足に信造を追って、背後から、

「北田さん、卓一さん」と呼んだ。

信造はぎょっとして振り返ったが、ジロリと刑事の顔を見ると、そのまゝ行こうとした。

「もし/\、北田さん」と刑事は追縋った。

「人違いだ」

信造はそういって、ドン/\行こうとする。

「待って下さい。待てといったら待たないか」

刑事のきっとした声に、思わず立止った信造の耳に、望月刑事は低声でいった。