Clásicos japoneses con furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Lee 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.513 caracteres · 43 pantallas
どこで買おうと俺の勝手じゃないか」と、冷淡にほとんど取りつく島もないような返事をした。気の弱い藤野は、青木の剣幕に威圧されてしまったらしく、そのまま黙ってしまった。が、雄吉はそれからしばらくしてから、友達の誰かに藤野が、
「不思議なことがあればあるものだね。僕が盗まれたドイツ語の辞書を、青木君がどこかの古本屋で買ったらしいよ」と、いっているのをきいた。そのことを、青木にきかせるのは、ただ青木を不快にするばかりだと思ったから、雄吉は自分一人の胸のうちに止めておいたが、今、雄吉が近藤氏の前にあって、青木の過去の行動を顧みると、この辞書の問題が、彼の心に大いなる疑念を湧かした。藤野の好意ある解釈、盗まれた本を青木が古本屋を通じて買ったという解釈――むろん雄吉はその当時はそれについて、なんの疑念も懐かなかった――が果して正しいものだろうか。この小切手の事件から思い合わすると、その辞書は藤野の所有から、なんらの仲介なしに、直接青木の所有に移ったのではあるまいか。雄吉はそう考えてくると、もうそれは、動かすべからざる事実のように思われ始めた。
雄吉が、心のうちで青木の悪癖を確かめているのを、近藤氏は、雄吉が苛責の心に責められているのだと思ったらしく、