Clásicos japoneses con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.022 caracteres · 36 pantallas
……じつはね、あたし、もうすこし先から気がついていたんですけれど、あなたがどんなことをするのかと思って、ようすを窺っていましたの」
「じゃ、あんたは、手前があんたの足や胸を温めてやったのを知っていたんで」
「ええ、知っていましたわ。どうもご親切さま」
「こいつは驚いた。……江戸の人はひとが悪いというが、へえ、ほんとうだね」
「でも、こんな磧に男一人女一人。……なにをされるかわからないとしたら、やはり怖いでしょう」
「ぷッ、冗談いっちゃいけねえ。……六十尺もある崖に宙吊りになって、あんな後生楽を並べていたお前さんでも、怖いものがありますのか」
「まあ、いやだ。……あなた、あれを聴いていたの。そんなら、今更、猫をかぶっても手おくれね」
「いい加減にからかっておきなさい、手前は先を急ぐから、あんたなんかに、かまっちゃいられねい」
わざと身振りをして立ちかかると、女は手で引きとめ、
「あたしをこんなところへ一人おいて行って、狼にでも喰われたらどうします。……それこそ仏をつくって魂を入れずというもんだわ。……それに、少々折入ってお願いがありますの」
顎十郎は、頭を掻いて、