Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ふうちそう

風知草

宮本 百合子

Lee 風知草 (ふうちそう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 44.107 caracteres · 88 pantallas

Aozora Bunko

「こんなにして、昼間、しずかに臥ていらっしゃると、しんから休まるでしょう?」

「たしかに、そういうところはあるね」

「世話するものがついていて、すこし工合をわるくして臥ているというようなきもちなんか、あなたとしてこんどがはじめてなのねえ」

そういうことのほかに、幾日も外出しないで重吉がうちにいるということは、ひろ子にとっていろいろの意味をもたらした。

自立会へ行った翌々日、卓の上に飾っていた牧子からの白い小菊の水をとりかえていると、臥ている重吉が、彼の公判に関係のある古い書類を出すように云った。

「在るんだろう?」

「それはとってあるわ」

そう云いながら、余りしまいこんでいて、その紙ばさみがなかなか見つからなかった。ベッドのしまってある奥の小部屋で、いくつもの包みの紐をといて見ているうちに、必要な書類が出るより先に、一つの大型ハトロン封筒が出た。裏に、文学報国会と紫のゴム印が捺されてある。封筒の中にはひろ子の小説をうつした原稿が入っていた。

見つかった書類と一緒に、ひろ子はその封筒をもち出した。そして、重吉の仕事が一段落ついたとき、

「こういうものが出たわ」