Clásicos japoneses con furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lee 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 127.675 caracteres · 254 pantallas
ただ奇蹟とでもいうように、『湖月抄』の本箱だけは無事でした。暗い蔵の中の下積みになっていたので、ただの古本の箱と思って見捨てられたのでしょう。
その後また幾年も経過して、烈しい世の中の動きにつれて、住所も安定しませんので、いよいよ老耄した私は、焼け残った本を少しずつ持って、あちこち流転を続けています。
落丁本
小石川の白山神社の坂を下りて登った処は本郷で、その辺を白山上といいます。今残っている高崎屋の傍から曲って来て、板橋へ行く道になります。農科大学前の高崎屋は昔江戸へ這入った目印で、板橋で草鞋を脱いでから高崎屋まで、いくらの里程と数えたと聞きました。
白山上は団子坂から来た道、水道橋から来た道、高崎屋の方から来た道と、三つが一緒になって板橋へ延びています。そこの角の万金という料理屋は大分古いので、昔東北の方から来る人たちは、そこで支度でもしたのでしょう。様子は変っても、戦災前までありました。これは近年のことですが、その万金の側に食料品屋が出来て、屋根一ぱいの看板をあげたのが浅田飴の広告で、「先代萩」の飯焚場の鶴千代君の絵でした。「空き腹に飯」