Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Lee ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 132.905 caracteres · 262 pantallas

Aozora Bunko

羚羊が一頭現われて、あたりの斑ら雪を蹴散らしながら、たちまち見えなくなったが、ライオンのようなみごとな襟毛をたらした牡であった。

この行では熊には出会わなかったが、前の祖母谷では見かけたし、今でもあの辺には、時おり出るそうだ。黒部の谷筋には蝮がなかなか多い。そして大井川も、その名産地なのは面白い。去年だったか、この先の仙人谷で、登山者がこれにやられ、立山への登山を中止したそうだ。私がこのところ毎年のように同行する、愛本の山男がその時付いていたのだが、つまずいてうっかりつかまった朽木に、それがいて、手をやられたのだそうで、脹れてひどく痛み、せっかくの登山を中止して、その山男が背負って下山、宇奈月で医者の手当をうけたが、幸い大事に至らずにすんだという話であった。毒という武器をたのんでか、彼らは人を見ても逃げないから、それが禍のもとになる。ただし山人に会っては逆手をとられて、自分の方が、生き皮をはがれ、生き胆をぬかれる。

話が蛇行したが、折尾につづいて、アゾ原の泊りが又面白かった。小谷が、劔附近特有の、いわゆる「窓」の形に抉れた口から、滝になって白珠を散らしながら落ちて来る。