Clásicos japoneses con furigana
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lee ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 132.905 caracteres · 262 pantallas
殊にこの場合、前述の通り私が見た時は、すでに時期が遅れていたので、今後当初出現の際に、それも農民の生活にまじって観察すれば、もっと面白い事実もあるにちがいなく、又そうでないと、真に機微な消息はつかめないであろう。
その上、元来この種の口碑は、世が移るにつれて影が淡くなり、かつは純粋さを失う恐れもあるので、かたがた気は焦っても不敏独力の到底よくする所でない。もし同好諸賢の協力で、博く報告や資料を集め、正確な記録が作られるなら……とねがっている次第である。ただその際、熱意から里人に向って誘導的な質問を浴びせるのは禁物であり、また早合点やあまりに主観的な自説を立てて、かえってそれを先方に鵜のみにされる危険もあることを、自戒すべきだと思っている。既にこういう害毒を被ったかと憂えられる例も無いわけではないのだから。(昭和十六年九月)
〔追記〕 戦後二十二年夏、御岳に遊んだ際、爺さんの本体の辺を少し観察してみた。黒沢口九合目から劔ガ峯の東をからんで、直接王滝頂上へ出る、水平に近い近道がある。それが雪渓を横切る辺から南に、数条の小尾根が並んで薙ぎ落ちていて、いずれもそう大きくはないが、相当起伏のあるしっかりした岩壁に、多少の偃松が生いついたもので、その中の一つ二つが、恐らく爺さんの像を構成する母体であろうと察せられた。