Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas

Aozora Bunko

八の四

「へんてこなもんだな」と万吉が酒を啜りながら、首をひねって云った、「――こんなふうに薬みてえに啜ってると、胃の腑の中をくすぐられてるような心持だぜ」

「銭にするとどのくれえの値打ちだ」と隣りにいる男がきいた。

万吉はつられて、ひょいとそれに答えようとし、ふと気がついて「よしゃあがれ」と云った。それでみんなが笑いだした。

「こんなことが月に一遍でもできるんなら」と一人が実感のこもった声で云った、「おらあ生涯この寄場にいてもいいと思うな」

「そのこった」と他の男が云った、「生き馬の舌を抜くような、せちがれえしゃばにいるより、この島のほうがよっぽど安楽だ」

「そいつあ知らなかった」と早速べつの男が云った、「しゃばじゃあ生き馬の舌を抜くかね」

そこでまたみんなが笑いだした。

八の四

なごやかな時間が一刻あまり続き、そのあいだに五人の男が、栄二のところへ盃の交換に来た。酌も盃のやりとりもしないのが自分の癖だから、と栄二は断わったが、五人とも気を悪くしたようすはなく、自分の酒を大事そうに舐めながら、今後は互いに助けあってゆこう、などとたのもしそうに語っていた。――仁兵衛というのが三十四、五、武というのが三十がらみで、参平、吉造、富三郎という三人は栄二とほぼ同年ぐらいにみえた。