Clásicos japoneses con furigana
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lee たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) de 佐藤 春夫 (さとうはるお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 41.277 caracteres · 84 pantallas
「君この家はどうもちとへんな家のような気がするけれど別にかわった事もあるまいね。」
と自分は石垣に聞いてみた。
「イヤデッセ、センセ。おどかしちゃいけませんよ」と石垣は例によって道化た口調であったがそれを改めて「どうしてそんな気がしましたやろ――明るい気分の家やありまへんか」と関西訛をまる出しだけれども口調だけは真面目であった。
「どうしてだか理由は自分にもわからない。しかし第一印象がどうもよくない。玄関から高い長い階段を見上げた時はいやな気がしたよ。それから二階の部屋へ行ってみるとあまり陰気でね。――三階はそうでもないが。三階はいい部屋ばかりだね。それが一層おかしい。みな相当な部屋だし家全体だってそう古びても居ないではないか。」
「二階の陰気なのは〆切って誰も住んで居らなかったからではありませんか。それにこの家では二階が一番人口が少いのですからね。――三階が四人、下が三人、二階が今までは二人、いや一人半にも足りませんか。」
蛍籠のように四角な家が同じ坪数を三重に積み上げた建物だけに各階の人口を論ずるのは石垣特有のおかしみがあった。それにしても、
「ひとり半にも足りないというのは?」