Clásicos japoneses con furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lee だいこん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 153.732 caracteres · 303 pantallas
「その本、読むの、おやめにならない」
長謙さんは本をはなすと、びっくりした子供のような顔をした。
「いまになってそんな本読むなんて、そんなシニスム、下等だわ」
なにが問題になっているのだろうと思ってタイトルをのぞいてみたら、〈ハムメルライト著、ピストルと自動拳銃射法〉と書いてあった。長謙さんはまったく変っている。ふざけているとしか思えないんだけどこれで大真面目なんだ。長謙さんは近眼鏡を光らせながら珠子さんの顔を見ていたが、それからいった。
「これぐらいいまぼくの感情にぴったりする本はない。植物の本でも読みだしたら、それこそ下等なシニスムだ」
珠子さんはいよいよ長い煙をふきだしていたが、またいった。
「胸の赤いカアネーション、それなんのおまじないなの」
むずかしくなってきた。あたしは眠っていることにして眼をつぶった。長謙さんがフリュートのfのようなやわらかな声でいった。
「じぶんが議事堂のわきで、気のちがった軍人の機関銃でひと薙ぎにされるようなことも、ひょっとしたらあるかもしれないと、君は過去にいちどでも想像したことがあったかね」
「なかったわ」
「ぼくがルゥヴルでゴヤの〈銃殺〉やドラクロアの〈キオス島の殺戮〉を見たのは十六のときだったが、世の中が乱れたら、こういうこともじぶんの身に起りうると思って、ちゃんと死際のスタイル