Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ちょうとどとう
ちょうと怒濤
小川 未明
Lee ちょうと怒濤 (ちょうとどとう) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 4746 caracteres · 10 pantallas
けれど、哀れなちょうは、ばらの花に近寄ることができませんでした。人間が、その庭にいたからです。
三日めの晩方、ちょうは、今日こそは、花に近寄って、いろいろの思いを語ろうと思ったのであります。
天気の変わる前兆か、西の夕焼けは、気味の悪いほど、猛り狂う炎のように渦巻いて紅くなりました。
ちょうが、大きな羽をはばたいて、庭さきに降りようとした刹那、真紅なばらの花は、もう寿命がつきたとみえて、音もなく、ほろりほろりと、金色を帯びた夕日の光の中に砕けて散るところでありました。
これを見たちょうは、どんなにうらめしく思ったでしょう。そして、またこの花と語るのはいつであろうとなげきました。ちょうは気も狂いそうでありました。無念と残念とで、もう生きている心地はなかったのです。自分の体は、どうなってもいいというように、ちょうは、絶望のあまり、深い考えはなしに、空高く、高く、どこまでも高く舞い上がりました。ちょうは、下界の有り様を、もはやなにも見たいと思いませんでした。
すると、空には、怖ろしい、烈しい風が吹いていました。ちょうの体は、急流にさらわれた木の葉のように、あっと、思うまもなく、遠く、遠く、吹き飛ばされてしまいました。