Clásicos japoneses con furigana
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つばくろ
つばくろ
山本 周五郎
Lee つばくろ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.987 caracteres · 44 pantallas
そのときは大助も危うく峠を越して、これなら命はとりとめるだろうと医師も云い、高雄はようやく息をついたところだった。
「坊やがそんな病気になるのも母親がいないためだ、どうしたって頼んだ者ではだめなんだ」吉良はたいそう乗り気らしくこう云った、「――子供のためにも貰うべきだよ、宮田では約束だけでもいいと云ってるんだ」
「――おいちが戻るかもしれないんだ」高雄はそう答えた、「――湯治は病気によかったらしい、詳しいことはいずれ話すが、……たぶん戻ることになると思う、そういうわけだから」
吉良はむっと口を噤み、睨むようにこちらの顔を見て、そしてその話しにはもう触れずに去った。
それから七八日経った或朝。大助がなにかひどくむずかっているので、高雄は登城の支度を手早くしていってみた。勝江がけんめいになだめているが、彼はべそをかいて、足をばたばたさせてなにかせがんでいた。
「燕を見るんだと仰しゃってきかないんですの、まだ起きたりなすってはいけませんのに」
「よしよし、そのくらいならいいだろう」
元気な暴れようを見て、高雄は唆られるような気持になり、夜具をはねて大助に手を伸ばした。