Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ふもれすく

ふもれすく

辻 潤

Lee ふもれすく de 辻 潤 (つじじゅん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.833 caracteres · 37 pantallas

Aozora Bunko

野枝さんは早速それを小説に書いた。野枝さんは恐ろしいヤキモチ屋であった。

同棲数年の間、僕はただ一度外泊した事があるばかりであった、まるでいま思うと嘘のような話である。別れるまで殆どケンカ口論のようなことをやったこともなかった。がしかし、ただ一度、酒の瓶を彼女の額に投げつけたことがあった。更に僕は別れる一週間程前に僕を明白に欺いた事実を知って、彼女を足蹴りにして擲った。前後、ただ二回である。別れる当日はお互いに静かにして幸福を祈りながら別れた。野枝さんはさすが女で、眼に一杯涙をうかべていた。時にまこと君三歳。

大杉君も『死灰の中より』にたしか書いているはずだが、野枝さんが大杉君のところへ走った理由の一つとして、僕が社会運動に対する熱情のないことにあきたらず、エゴイストで冷淡だなどとなにかに書いたこともあったようだ。渡良瀬川の鉱毒地に対する村民の執着――みすみす餓死を待ってその地に踏みとどまろうとする決心、――それをある時渡辺君がきて悲愴な調子で話したことがあったが、それを聴いていた野枝さんが恐ろしくそれに感激したことがあった。僕はその時の野枝さんの態度が少しおかしかったので後で彼女を嗤ったのだが、それがいたく野枝さんの御機嫌を損じて、つまり彼女の自尊心を多大に傷つけたことになった。