Clásicos japoneses con furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lee わが町 (わがまち) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 93.840 caracteres · 186 pantallas
案の定、妹が婿養子を迎える婚礼に出席を撥ねつけられたといって、柳吉は気を腐らせ、貯金の中から二百円ほど持ち出して出掛けたまま、三日帰って来なかった。蝶子は柳吉を折檻した。
「あんたはそれで良うても、わてがあんたのお父さんに笑われま。二人で、苦労してこれだけの人間になりました言うて、お父さんの前へ早よ出られるようにしよ思て、一所懸命になってるわての気持は、あんたには判れしめへんのんか。いつになったら、真面目な人間になってくれまんねん」
「も、も、も、もうわかった。お、お、おばはん、わかった」
二度と浮気遊びはしないと柳吉は誓ったが、蝶子の折檻は何の薬にもならなかった。暫らくすると、また遊びだした。二人の世帯を築きあげて行こうという気持には、到底なれないらしかった。そろそろ肥満して来た蝶子は折檻するたびに息切れした。
柳吉が遊びに使う金はかなりの額だったから、遊んだあくる日はさすがに彼も蒼くなって、盞も手にしないで、黙々と鍋の中をかきまわしていた。が、四五日たつと、もう客の酒の燗をするばかりが能やないと言いだし、水を混ぜない方の酒をたっぷり銚子に入れて、銅壺の中へ浸け、チビチビと飲んだ。