Clásicos japoneses con furigana
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カインのまつえい
カインの末裔 クララの出家
有島 武郎
Lee カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 45.864 caracteres · 93 pantallas
青年たちが騒ぎ合いながら堂母の蔭に隠れるのを見届けると、フランシスはいまいましげに笏を地に投げつけ、マントと晴着とをずたずたに破りすてた。
次の瞬間にクララは錠のおりた堂母の入口に身を投げかけて、犬のようにまろびながら、悔恨の涙にむせび泣く若いフランシスを見た。彼女は奇異の思いをしながらそれを眺めていた。春の月は朧ろに霞んでこの光景を初めからしまいまで照している。
寺院の戸が開いた。寺院の内部は闇で、その闇は戸の外に溢れ出るかと思うほど濃かった。その闇の中から一人の男が現われた。十歳の童女から、いつの間にか、十八歳の今のクララになって、年に相当した長い髪を編下げにして寝衣を着たクララは、恐怖の予覚を持ちながらその男を見つめていた。男は入口にうずくまるフランシスに眼をつけると、きっとクララの方に鋭い眸を向けたが、フランシスの襟元を掴んで引きおこした。ぞろぞろと華やかな着物だけが宙につるし上って、肝腎のフランシスは溶けたのか消えたのか、影も形もなくなっていた。クララは恐ろしい衝動を感じてそれを見ていた。と、やがてその男の手に残った着物が二つに分れて一つはクララの父となり、一つは母となった。